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オセアニア旅日記


T 旅立ち〜はじめてのウーフ


自分たちの土地を持たない私たちは、エコビレッジ内の土地から適当な土地を探しました。もともと何でもさっさと決めてしまう私と、じっくりと選ぶりえとのコンビネーションがうまく合わず、最初はお互い苦労しましたが、何とか7000u程度の土地を選択。
それから100mメジャーを使って測量の開始です。土地の中には30m四方の池と小池、また数十本の果樹が植えてありました。また目測で高低差も測り、それらのデータをもとに地勢図を作成していきます。その作業をしながら、自分たちのイメージに合うゾーニングデザインをし、プレゼン資料を作成していきました。

コース最終日、プレゼンの日がやってきました。各自持ち時間はプレゼン10分に質問5分というきついスケジュールです。私たちは午後一番に組んでもらい、昼休みからセッティングをして準備万端。まず始めに私の方から今回のプレゼンの意味についての自己解釈を説明しました。PCのデザインとは、ただ土地や家のデザインをすれば良いのではなく、その土地を利用する人の哲学や人生観をベースにライフスタイル、ビジョン、夢を明確にした上ですべきではないか?そしてその作業の延長にコミュニティデザインもあり、それらの視点全てを統合してこそPCデザインであるべきです。だから今回私たちは自分たちのビジョンを紹介しながら、この土地についてデザインしたかったのです。そんな意味を伝えるシートをOHPで表示。そのビジョンとはこの前半で紹介したものを英訳して模造紙3枚に書いて張りました。
次に土地の現状についてOHPで説明です。等高線、太陽や風の方向などを確認します。そしていよいよデザイン発表です。ここからはプレゼン10分のうち7分を受け持つことになったりえに交代です。自分たちのビジョンに沿って自宅やレストラン、宿泊施設や工房、ギャラリーホールの設置場所の理由付けについて説明。そしてそれらをベースにしたゾーニングの説明。PCでは自宅周りで普段よく使うガーデン関係をゾーン1とするなど、最後はゾーン5までデザインします。
お次は私たちの母屋の図面です。これは模造紙に大きく平面図と断面図を書きました。これを書くまでに、家の中でどういった要素が必要か?動線は?ライフスタイルと合っているか?PC的にデザインされているかなど、何度も二人で話し合いました。また今回は結局日本の伝統的家屋デザインを多く取り入れることになったので、それらの説明が必要です。ここはりえのドローイングが光りました。土間、掘りごたつ、ストーブを利用した乾燥システムなどを絵で示し説明しました。
そして最後に模造紙一杯に描いた敷地全体の立体ドローイングです。これまでに説明した内容を3Dで説明。これもりえの力作です。

プレゼンが終了した瞬間、大きな拍手がおきました。質問前に拍手がおきたのは私たちの時だけです。質問タイムも質問にあらず。「いつこれが完成するんだ?」「ウーフさせてくれ!どこで住める?」「アドレスを渡すからできたら是非知らせて!」その勢いにつられてつい、「このプランは決して夢物語ではなく、私たちの近い将来の設計図です。私たちはこの先2年の間にこのプランを実現していくことを約束します!」と宣言してしまいました。またも大きな拍手と歓声。最後にはスタンディング・オベーションで大きな拍手がおきました。そして生徒の要望で、私たちのビジョンが教室の壁に貼られました。
全員のプレゼンが終わった後、仲のよい生徒がガッツポーズをしてくれました。また、プレゼンを見にきていたRVFのジョーが、「君たちのプレゼンは本当に良かった。このプレゼンを見て、君たちが今回のコースで十分に学んだことが分かったよ。」と言ってくれました。一旦皆と別れ、翌日にあるパーティに参加した時に、今回の生徒たちも数人参加していたのですが、彼らが口々に「すごいプレゼンだったね」「ものすごく感化されたよ!」「君たちが帰った後、きみらのプレゼンの話題で持ちきりだったよ!」と声を掛けれられました。素直にとても嬉しかったです。最後の最後で本当に皆とシェアできた気がしました。

今回のワークは私たちにとって、コースの為だけではなく、私達の近い将来設計を一緒にすることができた、とても貴重な体験でした。そしてこの作業が終わった今、もともと今回の旅で目的としていた「二人に共通のモノサシを持とう!」というものがまた一つできたように思います。そんな達成感と、なんだかんだ言って辛かったコースが終了した安堵感に包まれて、私たちは最後のウーフ先であるRVFに向かったのでした。