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オセアニア旅日記


T 旅立ち〜はじめてのウーフ




オタマテアのPCデザインコース受講前に幾つかのファームでPCの実体験をしてある程度の経験と知識と語学力をつけ、コースで全体的な知識を集中して学んだ後に、仕上げとしてPC界のメッカの一つであるレインボウ・バレー・ファーム(RVF)で改めて実践することでより磨きをかける---これが私たちのもくろみでした。実はPCデザインコース中にも生徒みんなでRVFに一日ツアーに行ってます。その時の皆の興奮度といったらすごいものでした。「ワオーッ!」「アメイジング!」「エクセレント!」PCの原理原則に従ってこれほど忠実に、しかもセンス良く出来上がっているファームは他にはありません。しかもジョーの説明はとても分かり易くてノリも良く、みんな大満足で帰ったものでした。そんなファームにコース後の二週間ウーフできると聞いて、誰もが私たちを羨みました。ただでさえコースの最終プレゼンの大成功で満足している上に、その先にRVFがあるとあって私たちはもう有頂天でした。
さてジョーに連れられてRVFに着いたのが3/19の夜。奥さんのトリッシュが優しく迎えてくれました。彼女の笑顔と応対には参ります。すごいなーとほとほと感心。ぐっすり眠った翌朝から早速作業です。自家製ビールの瓶詰め、フルーツ採りとドライフルーツ作り、果樹のマルチ、コンポストトイレのメンテ、何度か行われたツアーの準備と後片付け、などなど。それほど重労働ではなかったですが、予想通りいろんな体験ができました。


そしてその予想以外に体験できたことがあります。それはRVFの未来について一緒に考える機会に恵まれたことです。ジョーは58歳。トリッシュはもう少し若いか?二人はこれまでの16年間、それこそ一生懸命ファームづくりにいそしんできました。おかげで荒地はパラダイスに生まれ変わり、今や世界中から見学者の絶えないPC成功ファームになりました。そんな彼らにも悩みがあったのです。「自分達の老い」「このノウハウをいかに次世代に伝えるか」といったものです。約一ヶ月前にこのファームで初めて単独のPCデザインコース(ドイツ語版)が開かれた際にも、同じテーマで生徒達が語り合いプレゼンしたこともあって、私たちがRVFを訪問した時は、丁度二人で「この先どうすんの?」と考えあぐねていた時期だったのです。
ところで私は他には何のとりえもありませんが、一つだけ特技があります。それは人の話を聞いているうちに、それを整理して「要はあなたの考えはこういうことじゃないの?」と一枚の絵にまとめることができることです。例えば以前勤めていた会社では、社長や役員にヒアリングして彼らの断片的な夢をまとめて、会社の将来ビジョンを作成するといった仕事をしていました。
そんな話をジョー&トリッシュにしたところ、「私たちの夢をまとめてくれ!」と頼まれたのが事の次第です。まとめてくれと言ったって今回はさほど時間も取れないので、私が普段頭の中で考えている整理法をお伝えして、その方法に従って自分達で解決法を見つけてもらうことにしました。また最終の夜にはある程度彼らが書き出したメモを見ながら今後すべきことを一緒に議論しました。プライベートなことなので詳しい中身は述べられませんが、とにかくRVFの転換期に遭遇し、共に模索する場に同席できたことはとても光栄なことでした。

これ以外にも学びはありました。例えば今やPC界のスターであるジョーですが、彼もやはり一人の人間であり、イライラもすれば人に当たったりもします。当たり前のことなんだけど、ツアーで見学するだけでは分からない面を多く見ました。

ホストとしてゲストやウーファーにどう接するか?夢を持ち続け、それを実践し続けることの困難さ。事態の変化に従って、人はギアチェンジしなければならないということ。人は老いるということ。特にパートナーとの関係を維持し続けることの大切さ。・・・・・
今後の私たちの暮らしを築く上でいやがおうにも考えざるを得ない面を多く見せていただいた、貴重な二週間でした。